『恋愛嫌い』 平安寿子
#38/2010.03.03
★★★★☆
集英社
1575/P264
![]() | 恋愛嫌い (2008/10/24) 平 安寿子 商品詳細を見る |
あらすじ(「BOOK」データベースより)
恋愛は難しい。面倒くさい。上手くいかない…。
それならいっそ一人で生きちゃダメですか?
痛いほどリアルで、じんわりと勇気をくれる3人の女たちの物語。
****
なかなかに読み応えのある1冊でした!
装丁とタイトルからもっと軽~いタッチのものを想像していたらいい意味で裏切られました( ´∀`)v
29歳の喜世美と26歳の翔子・35歳の鈴枝の職業も違えば年齢もバラバラの彼女たちの各恋愛模様を描いた連作短編。
どの主人公にもそれぞれ共感できる部分があって、また主人公たちが呟く心の声がリアルでした。
確かに恋愛ってめんどくさいって思うことが良くあるので尚更デス(苦笑)
暴露してしまえば、もうね、そのプロセスすら面倒くさい…(´Д`。)
平さんの描く女性は自分のことを客観視していて、その現状であったり自分だったりを否定するでもなく、肯定するでもなくただ肩の力を抜いてあるがままを受け入れています。
それをあらわすいい例がコチラ↓↓
(以下引用)
(コップに半分入っている水を見て「もう」「まだ」半分あると思うかの問いに対して主人公・鈴枝は)
「コップに半分水があるなぁ」とその事実を認めるだけ。
かぁ~(゜Д゜;≡;゜Д゜)
その潔さが気持ちいいじゃありませんか!!その受け入れ方が心地いい。
恋愛嫌いではあるけれど(というか不器用なだけ)、それぞれがポジティブに前に進んでいく様が良かったです。女同士の友情もこの手の小説にしては打算的ではあるものの、中身が伴っているし、アッサリしていてイイ☆
特に鈴枝には共感度大でしたし、関西人やからなのか鈴枝が心の中でツッコミを入れるというのも良くわかる(=゜ω゜)ノ
特に良かったのは「前向き嫌い」で当時の彼氏を奪って結婚までした元友人が彼女に対して許しを乞うたときに言った一言でした。
(以下引用)
「ちょっと不幸が好きなの。それくらいが一番居心地がいいの。
(略)寂しいし、虚しいし、つまらないし、情けないと思う。でもね、だからってどうしても幸せになりない、神様仏様~なんて毎晩祈ったりはしないわ。それほど幸せに飢えてないもの。
ちょっと不幸。でも死にたいほどじゃない。そのくらいでいいの。毎日なんだかんだ文句言いながら、やってくわ。それでいいの。」
と、そう言い切ってしまえる彼女がとっても眩しく、輝いて見えました。
自分も“幸せ”に振り回されないようにありたいナ(´・ω・`)
収録作品
恋が苦手で…/一人で生きちゃ、ダメですか/前向き嫌い/あきらめ上手/
キャント・バイ・ミー・ラブ/相利共生、希望します/恋より愛を
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