「万寿子さんの庭」 黒野伸一
#95/2010.05.09
★★★☆☆
小学館文庫
650円/P.349
万寿子さんの庭〔文庫〕 (小学館文庫) (2009/10/06) 黒野 伸一 商品詳細を見る |
あらすじ(裏表紙より)
「あなたがお隣に引っ越してきてから、わたしの人生はまた乙女時代に戻ったかのような活況を取り戻しました」
竹内京子、二十歳。右目の斜視にコンプレックスを抱く彼女が、就職を機に引っ越した先で、変わり者のおばあさん、杉田万寿子に出逢った。
万寿子からさまざまないやがらせを受け、怒り心頭の京子。しかし、このおかしなやりとりを通じて、意外にも二人の間に、友情ともいうべき感情が流れ始めるのだった。
半世紀の年齢差を超えた友情が、互いの人生に影響を与えていく様を温かな筆致で描く感涙の物語。
****
ご無沙汰しております。
9月下旬になってやっと涼しくなってきましたね。
いや、むしろ涼しいを通り越して寒い日もあるくらいですが…。
皆様、体調を崩したりしないようにしてくださいね~♪
さて、久しぶりに感想のUPです。
コチラ、購入本なんですがとある大型書店に立ち寄った際にレジ横のとっても目立つPOPに釣られて特に購入するつもりはなかったんですが、気付けば手にとってレジに並んでいた、という本です。
今回の話は簡単にいってしまうと半世紀ほども年の離れた、おばあちゃんと若い女の子の友情話です。
ただ、この本が普通のストーリーと違って珍しいのが男性作家さんが2人の女性の友情を描いているという点と、その著者である黒野さんが万寿子さんという主人公の1人である、おばあちゃんを生き生きととっても温かい目線で書いていたということです。
“老人”もしくは“シニア”という固定観念を払拭するような人物描写で、年を重ねても1人の人間であるということが描かれていて、それが万寿子さんの意地悪もするけれどしっかりと京子と友情を育んでいけたのだと思うのです。
それがなければ、この物語は成立しなかったのでは、と思いました。
…ただ、惜しむべくは京子の恋愛面での葛藤などが少し蚊帳の外になってしまっていて、中途半端なところで終わってしまっていたのが非常に残念でした。
ラストもとっても素敵な終わり方なんえすが、毒を吐くと「そんなにうまくいくの?」と斜めから見てしまったのです…。
この小説は万寿子さんという存在で成り立っていたのね、と確認できるような終わり方でもあったんですが(汗)
なにはともあれ、京子と万寿子さんの友情は素直に素敵だな、と思えました。
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